青森県の歴史ある秘湯中の秘湯!蔦温泉(つたおんせん)へ行ってきました。
蔦温泉は、青森県十和田市の山奥にある一軒宿で、十和田樹海とよばれるブナ原生林の中にあります。大正時代に建造された本館と、「源泉湧き流し」と呼ばれる源泉が足元から湧出するヒバの浴槽「久安の湯」が自慢の宿です。
今回は2021年4月にリニューアルしたばかりの和洋室に宿泊し、貸切風呂にも入ってきました。
この記事では、蔦温泉のお風呂を含めたお部屋のレビュー、夕食と朝食、館内と周辺の散策の様子までブログでフルレビューします。
実際に宿泊したときの様子は動画にもしていますので、見やすい方で御覧ください。
【青森県 蔦(つた)温泉旅館】源泉湧き流しの秘湯一軒宿を楽しむ!
青森県十和田市、秘湯「蔦温泉」に宿泊してきましたので、客室、貸切風呂、豪華夕食と朝食、館内外の様子までブログでご紹介します
蔦温泉 基本情報
蔦温泉とは
蔦温泉の発見は久安3年(1174年、平安時代)に遡るといわれ、現在は今回宿泊した「蔦温泉旅館」の一軒のみ営業しています。
「蔦温泉」の名前については、公式ページでは「木に絡むツタ植物が豊富にあったことから」がおそらく有力としています。なお、周囲には「蔦沼」や「蔦川」といった沼や川もみられます。
豪雪地帯であるため、通年営業ではなく、11月下旬には旅館を閉め、雪解けの4月中旬頃に営業を再開することが慣例となっているそうです。
明治時代の紀行作家大町桂月はこの温泉をこよなく愛し、この地に移住して、奥入瀬渓流のそこここの美しさに心奪われる流れや滝・岩に名前を付け、全国に紹介したとされています。
蔦温泉 基本情報
公式ホームページ
蔦温泉の公式ホームページはこちらです。
蔦温泉のホームページには
平安から続く千年の秘湯、蔦温泉。
ぷくぷくと足元から湧き出る「源泉湧き流し」の湯を堪能
(蔦温泉ホームページより)
と書かれています。
- 客室数:全34室
- 駐車場:100台(無料)
- チェックイン:15:00
- チェックアウト:10:00
蔦温泉 場所
住所:〒034-0301青森県十和田市奥瀬蔦野湯1
TEL :0176-74-2311(ホテル直通)
【ホテルへのアクセス】注:交通の便はあまり良くありません
自家用車:八戸、青森から約1時間半程度
JR七戸十和田駅(送迎)、JR青森駅(送りのみ)からの無料送迎があります(3日前までに要予約)
蔦温泉 客室
客室は特別室、本館・西館の客室、和洋室があります。
特別室のうち3室は2016年にリニューアルされ、和洋室は2021年4月にリニューアルされたそうです。
特に本館には、大正時代の面影を残すお部屋が残されており、そちらを好むお客さんも多いそうです。
- 特別室(「桂月の間」「ななかまど」「かつら」「しゃくなげ」)
- 本館客室「鄙(ひな)び」
- 西館3階「趣」
- 本館2階「66号室」・・・吉田拓郎「旅の宿」が生まれた旧別館をイメージしたお部屋
- 西館2階「和洋室」・・・2021年リニューアル
などのお部屋があります。今回宿泊したのはリニューアルしたばかりの和洋室となります。
蔦温泉 温泉について
蔦温泉の温泉は自家源泉(自然自噴)の浴底からの源泉湧き出しが特徴です。
なんとお風呂の下から源泉が湧き出してくるのです!

(蔦温泉内掲示より)
- [種類] 大浴場 家族風呂 天然温泉
- [泉質] 炭酸水素塩泉 硫酸塩泉 塩化物泉
- [効能] 外傷 皮膚病 美肌効果
(蔦温泉 公式ホームページより)
- 久安の湯(男女入れ替え制)・・・平成2年改築
- 泉響の湯(男女別)・・・泉のせせらぎのような響きがある出湯
- 貸切風呂・・・現地での予約制
今回はどのお風呂にも入ってきましたが、特に貸切風呂については撮影ができましたので記事内でお見せしたいと思います。
今回の宿泊プランの紹介
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今回のプランは朝夕食つきの和洋室で、
「約千年間、足元から「生の源泉」がぷくぷくっと湧き続ける秘湯「蔦温泉」満喫プラン♪」
宿泊費は1泊2日、家族3人(大人2人、子供1人)で55,000円でした(休前日)。
青森県十和田市 蔦温泉「和洋室」に宿泊してきましたのでブログにてご紹介します
蔦温泉までのみちのり
今回は自家用車で十和田市側から向かいました、途中の景色も楽しめますのでご紹介します。

十和田市側から奥入瀬渓流側に曲がらずに、国道103号線に入ります。
左には渓流、蔦川が見えてきます。

しばらく走っていると、山を登り始めます。この辺りからブナの原生林が続き、十和田樹海と呼ばれています。
この十和田市~青森市を結ぶ国道103号線は十和田市側から蔦温泉~谷地温泉~猿倉温泉~酸ヶ湯と一軒宿からなる温泉が続き、まさに「秘湯ロード」と呼べる路線になっています。

原生林の道に入って10分程度で蔦温泉に到着します。
蔦温泉のご紹介

蔦温泉旅館、正面です。
左側が新館に当たる西館、正面が本館となります。本館は改築を繰り返してはいるものの、一部は大正時代の面影を残した建物になっています。

正面の表札は歴史を感じられるものになっています。

入り口です。こちらで靴を脱いで、スリッパに履き替えます。
外に出る際には、サンダルを貸してもらえます。

入り口右手のお部屋のようなところにフロントがありますが、チェックインは別室(談話室)で行います。

まずは本館の大浴場側をご紹介します。

とても歴史を感じられる館内ですが、特に床などは張り替えられているようで、とても清潔感があります。

最も手前側に久安の湯と貸切風呂の入り口があります。
久安の湯は、男女入れ替え制で、専用の時間が決まっています。男性の場合、チェックイン当日に入らないと入れなくなりますのでご注意ください。
久安の湯を含めた大浴場、貸切風呂については後ほどまとめてご紹介します。
桂月資料館
館内には、大町桂月の資料館と、文豪の名を関した「桂月の間」といわれる客室があります。
大町桂月・・・高知県出身の詩人、歌人、随筆家、評論家で、酒と旅を愛し、特に十和田湖と奥入瀬渓流を愛した。晩年は本籍地を変えて蔦温泉に住み込み、蔦温泉旅館で死去。墓は、蔦温泉の温泉旅館の近くにある。
(Wikipediaより一部改変)

こちらが大町桂月資料館です。館内のかなり広いスペースを使って博物館のようになっていますので、是非じっくりとご覧になることをオススメします。

内部はこんな感じで、桂月の書や画が整然と飾られており、ちょっとした博物館並みです。

さらに奥に行ってみます。右手に階段があります。

時代劇にでも出てきそうな階段ですが、今でもちゃんと利用されています^^

本館の2階にはこんな感じで客室が並んでいます。
古めで雰囲気がありますが、とてもきれいな印象です。

こちらが、吉田拓郎の「旅の宿」作成時の旧別館をイメージしたお部屋「66号室」です。

再び1階にもどって奥に行くと、「泉響の湯」があります。こちらのお風呂は男女別になっています。
お風呂については後でまとめてご紹介します。

こちらは楓の間。ラウンジのようなところです。

古風な雰囲気のラウンジになっています。以前は手前側に飲み物があったようですが、今はありませんでした。

庭の景色が見えます。

今度は西館側へ歩いてみます。
左側が談話室、右はお土産処「結」。

売店の店内です。主に地元の工芸品が売られています。
飲み物などは売られていないようでした(外の売店で売っています)。

こちらは津軽塗のお椀や茶わんなど。

津軽こぎん刺しや八戸菱刺しのポーチなど。

こちらは売店の奥にあるラウンジのようなお部屋です。宿泊者は自由に利用できます。

こちらは談話室。お部屋はそれなりに埋まっていたようですが、人の姿はほとんど見ませんでした。

奥ではチェックイン手続きが行われていました。

西館の1階にはレストランがあります。
蔦温泉 和洋室のご紹介
チェックイン
まずは、チェックインです。

玄関脇のこちらの談話室で座ってチェックインです。

館内の説明を一通りしてもらい、特に源泉湧き流しの温泉については詳しく説明してもらいました。

お部屋までの廊下です。少し薄暗いですが、とても雰囲気がありますね^^
蔦温泉 和洋室216号室のご紹介

こちらが入り口です。ランプが薄暗く、いい雰囲気です。

今回のお部屋は西館の2階、216号室です。

カギはこんな感じです。

玄関です。入ってすぐお部屋があります。

こちらが和洋室です。リニューアル直後ということもあり、畳含めとてもきれいです。
広さは10畳+広縁となっていますが、全体で40㎡くらいでしょうか。

ベッドは3つありますが、3人宿泊ということで用意してくれたようです。

こちらが広縁です。

テーブルの上には「みつりんご」というグミのようなお菓子が置いてありました。

残念ながら外の景色は今一つでした。なんと5月なのに雪がありました。

クローゼットの中にタオル、浴衣、アメニティが用意されていました。

冷蔵庫の下には金庫。

お部屋にあったパンフレットを開いてみました。今いるのは指の先あたりにある、西館の2階、216号室です。

冷蔵庫には大きなボトルに水が入っていました。ちょっと変わってますよね^^

テレビや電話などが置かれています。

室内でwifiが使えましたが、かなり遅く、電波状態も今一つでした^^;

洗面です。

ソープ類です。

アメニティは一般的なものと、畳に合わせて足袋が用意されていました。
フェイスタオルはロゴ入りです。

トイレです。ウォッシュレットつきの普通のトイレですね。
蔦温泉 お風呂のご紹介
蔦温泉には大浴場が男女入れ替え制の久安の湯、男女別の泉響の湯、ほかに貸切風呂があります。
今回はどのお風呂にも入ってきましたのでご紹介します。
貸切風呂

貸切風呂は久安の湯の奥にあります。1時間3300円です。事前の予約はできず、当日チェックインの際に予約します。

貸切風呂なので、着替えスペースは狭めですが、十分ですね。

洗面やトイレもあります。あと、入り口にはなぜかベビーベッドがありました。

こちらが湯舟です。ヒバで出来た湯舟で、下面に隙間があるのが特徴です。
この下の部分から源泉が湧き上がってくるのがこのお風呂の最大の特徴となります。

実際の入浴中です。
よく見ていると、隅のあたりから、時々泡がポコッと上がってきます。それが源泉の湧き流しのサインです。

泉質は炭酸水素塩泉 硫酸塩泉 塩化物泉でほぼ中性。無色透明で、無臭です。
下から湧いてくるせいか、非常にクリアなお湯で、やや熱めでしたが、とても気持ちのいいお風呂でした。

貸切風呂には洗い場があります。
ちなみに久安の湯にはシャワー付きの洗い場がなかったので、その点は注意が必要です(泉響の湯には洗い場があります)。
久安の湯
久安の湯は時間による男女交代制のお風呂です(昔は混浴だったため)。男性はチェックイン当日の夜までしか入れないので注意が必要です。

こちらのお風呂、かなり大型の浴室で、湯舟もかなり大型。全体が木でできていて、もちろん湯舟はヒバで源泉湧き流しです。
写真にあるように壁の一部には桂月の和歌が飾られており、清潔でとても雰囲気のいいお風呂でした。
泉響の湯
泉響の湯は男女のお風呂が沸かれており、女湯にはシャワー付きの洗い場があります。

基本的な雰囲気は久安の湯と同様ですが、一部石が使われています。こちらも素晴らしいお風呂でした。
食事会場での夕食
さて、お楽しみの夕食です^^

西館1階の夕食会場です。窓側と奥側に分かれていて全体ではかなり広い会場です。

今回の席はこちらです。

メニューです。

最初にテーブルにあったのは前菜と小鉢です。


ドリンクメニューです。

【子供用のメニュー】エビフライ、ハンバーグ、から揚げ、グラタン、オムライス、サラダなど

今回はまずはシードル(青りんごスパークリングワイン)を飲んでみることにしました。

【小鉢】燻製海老と青森県産長芋の白和え

【中丼】えごま豆腐と子持ち昆布、土佐酢ジュレ、青森県産めかぶ

【前菜】天ぷら、十和田湖産公魚(わかさぎ)、春の山菜、タラの芽、こごみ

【お造り】十和田産紅サーモン、陸奥湾産ホタテ焼霜、ヒラメ、身欠きニシンとくらげのウニ和え

【遊魚】十和田産イワナ姿焼き

【台の物】小川原湖牛焼きしゃぶ 長芋とろろポン酢

【肴】湯葉、ホタテ、アピオスのチーズ焼き

【酢物】京人参砧(きぬた)巻、イイダコ、赤貝酢味噌


【焜炉】櫻姫鶏と蕨のつみれ鍋

【食事】大柳農園「天寿米」 青森県産ごぼう梅漬け

【子供用デザート】プリン、メロン

【デザート】わらび餅 青森県産リンゴ蜜煮、抹茶プリン
会場での朝食ビュッフェバイキング
朝食も夕食と同じ会場でいただきました。

朝食の時間は7:00-9:00となっていますが、今回は朝一で行ってみました。

朝食会場「やさしい朝食」です。ビュッフェバイキングとなっています。

サラダコーナー

シリアルもありました。

ヨーグルト。

朝食らしい梅干しなどの漬物コーナーです。「ねぶた漬け」は青森名物なので是非いただくことをオススメします。

朝食らしいメニューが並びます。

納豆や、ヒジキ煮、奥には温泉卵など、定番ですね^^

サバの塩焼き。サバは八戸でよく捕れます。

ちょっと変わったメニューで蒸し野菜。山の幸ですね。ポン酢などにつけていただきます。

ベーコンやソーセージなどの洋食もあります。

こちらは朝食の目玉料理、ホタテ貝焼き。ライブで焼いてくれています。

ナメコの味噌汁。

カレーライスやおかゆ。

パンコーナーです。

ジュースや牛乳のコーナーです。リンゴジュースももちろんあります^^

コーヒーです。

私の盛り付けです。

妻の盛り付けです^^。いい感じに和食膳が出来上がってますね^^
外の売店
最後に蔦温泉の外(敷地内)にある売店をご紹介します。

旅館から出て100mくらいのところにあります。

大きなお店ではありませんが、館内の売店と違って食料品やお酒などが売っています。

立ち食い蕎麦のカウンターもあります。

シードルやビールなどは水に入れられていて美味しそうです^^

青森では有名な焼肉のたれ、源たれが売っていました。

館内と同様、工芸品も多少売られています。
実際宿泊して良かった点、気になった点
今回、蔦温泉旅館に宿泊しましたが、良かった点や気になった点など上げてみたいと思います。
宿泊してよかった点
源泉「湧き流し」のお風呂が最高でした!
貸切風呂、大浴場(久安の湯、泉響の湯)はどれも泉質、雰囲気が素晴らしかったです。
特にヒバでできた湯舟の下に隙間が空いていて、下から時々泡が湧き上がってくる源泉湧き流しはほかに見られない自噴泉で素晴らしかったです。
お湯も特徴はあまりありませんがとてもクリアなお湯という印象で、これは自然のろ過の力によるものではないかと思われました。
歴史を感じられる館内の雰囲気
大正時代に建てられた建物や装飾を一部に残しつつ、館内は大変きれいに増改築をしてきれいに保たれており、とても素晴らしい雰囲気になっています。
本館の2階の客室は入ってはいませんが、昔の雰囲気を残した素晴らしいお部屋であることが想像できます。
気になった点
今回のお部屋は景色が今一つ
今回はリニューアル後ということで、お部屋は確かに新しくとてもきれいだったのですが、景色はほとんど何も見えず、かなり残念でした。
廊下を挟んで反対側のお部屋は庭の景色が見えますので、景色にこだわる方は部屋の向きを指定した方がいいでしょう。
アクセスがちょっと大変
これは、秘湯という点ではいい点かもしれませんが、アクセスはやはりちょっと大変です。
でもその大変なアクセスの先で、こんな素晴らしい温泉につかれば疲れも吹き飛びますね^^
青森県 蔦温泉旅館 和洋室まとめ
- 今回宿泊した和洋室は2021年にリニューアルされたお部屋で、とても新しいお部屋になっていました
- お風呂は自噴泉の源泉「湧き流し」となっており、素晴らしいです
- 会場での夕食会席と朝食ビュッフェバイキングも充実していました
源泉湧き流しのお風呂は予想通り素晴らしいものでした。日帰り入浴もできますのでお近くに行くことがあったら立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
実際に宿泊したときの様子は動画にもしていますので、見やすい方で御覧ください。
【青森県 蔦(つた)温泉旅館】源泉湧き流しの秘湯一軒宿を楽しむ!
本記事が、青森県 蔦温泉の情報を知りたい方や、これから行こうと検討している方々の参考になれば幸いです^^。ご質問等ありましたらお気軽にお問い合わせからどうぞ!
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